002. 砂と、本と、ワインと。

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良いワインを前にしたとき、ふと、その一杯に流れている「時間」について考えることがあります。 今回の作品撮りでは、ワインが持つ「熟成」という目に見えない物語を、身近な素材で表現してみました。
砂と、本と。 ただそれだけのものが、1本のボトルと重なったとき、どんな景色が見えてくるのか。少しだけ、私のこだわりをお話しします。

「知性を積み重ねる」

ワインの背後に積み上げたのは、使い古された数冊の本です。
私にとってワインの熟成は、造り手の知性や、これまで語られてきた歴史が積み重なっていくイメージ。
重厚なラベルの質感を、カサついた古本の紙肌が静かに引き立ててくれます。

「時の堆積を刻む」

ボトルの足元に広がるのは、さらさらとした砂の世界。
降り積もる砂は、抗えない時の流れを象徴しています。
あえて砂に「風の跡」をつけることで、静止した写真の中に、今も吹き抜ける風や、過ぎ去った年月を閉じ込めました。

ep.
実はこのワイン、先日お仕事をさせていただいたお客様からお土産でいただいた、私にとっても大切な一本なんです。 撮影しながら「いい表情をするなぁ」と見惚れていましたが、実は年末の仕事納めにこれで乾杯しようと、今から密かに計画しています。
気が早いのは百も承知ですが(笑)、そんな「楽しみな時間」まで含めて、ワインの魅力なのかもしれません。